新NISAやiDeCoで投資信託が限定されているのはなぜ?制度の目的と商品選定の背景を解説

マネックス証券

近年、資産形成のための制度として注目されている「新NISA」と「iDeCo」。どちらも非課税のメリットを活かしながら、長期的に資産を育てることを目的としています。

しかし、これらの制度で購入できる投資信託は「自由に全銘柄から選べるわけではない」という点をご存知でしょうか?今回は、国の制度として商品が絞り込まれている理由とその背景、そして主要証券会社の取扱状況について詳しく解説します。

新NISAの成長投資枠で投資信託が限定されている理由

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。成長投資枠では、日本株や海外株、ETF、REIT(不動産投資信託)など幅広い金融商品が対象となっており、各証券会社が扱っている個別株は原則としてほぼすべて購入可能です。

一方で、「投資信託(公募投資信託)」に関しては、世の中にあるすべての銘柄を自由に買えるわけではありません。投資信託協会や金融庁が定める「成長投資枠の対象商品」の基準を満たし、届け出がされた銘柄のみが購入可能となっています。

このため、証券会社を比較する際には、単に「投資信託の総取扱本数」を見るのではなく、以下の2つの本数を分けて確認することが重要です。

  • つみたて投資枠:金融庁が指定した、特に厳しい「長期・積立・分散」の基準を満たす投資信託
  • 成長投資枠:つみたて投資枠よりは広いものの、一定の制限(デリバティブ運用の制限、信託期間20年以上など)をクリアした投資信託

主要証券会社の新NISA口座での投資信託取扱本数の比較

主要な証券会社における、新NISA口座での投資信託の取扱本数は以下の通りです。成長投資枠の対象本数は各社で異なるため、選定の際の目安になります。

証券会社つみたて投資枠
(投資信託本数)
成長投資枠
(投資信託本数)
データ基準日
SBI証券294本1,537本2026年6月時点
楽天証券200本超1,483本2026年6月時点
マネックス証券217本1,101本2024年1月時点
松井証券227本確認中(約1,000本以上)2026年6月時点

※本数は各証券会社の公表資料等に基づく目安です。実際の取扱銘柄は随時更新されるため、最新の状況は各社公式サイトをご確認ください。

なぜ商品が絞られているのか?制度の目的に沿った「除外基準」

新NISAは、投資初心者から経験者までが「安定的な資産形成」を行えるよう国が後押しする制度です。そのため、資産形成に不向きとされる以下のような特徴を持つ金融商品は、最初から制度の対象外(除外)とされています。

① つみたて投資枠の厳しい条件

つみたて投資枠では、販売手数料(ノーロード)が無料であること、信託報酬(維持コスト)が一定水準以下(例:国内株インデックスファンドなら0.5%以下など)であること、頻繁に分配金を出さないこと(毎月分配型の除外)などが法律で厳格に定めされています。

② 成長投資枠における「4つの除外基準」

成長投資枠はつみたて投資枠に比べて投資対象が広いものの、投資信託においては以下の商品は対象から外されています。

  1. 信託期間が20年未満(長期保有を前提とするため、早期に運用が終了するものはNG)
  2. 毎月分配型の投資信託(元本を払い戻すような頻繁な分配は、複利効果を阻害するためNG)
  3. デリバティブ取引を用いた一定の投資信託(ヘッジ目的以外の高レバレッジ型など、リスクが高すぎるものはNG)
  4. 整理・監理銘柄に指定されている上場株式など

これらは、NISAを単なる「短期トレード用の非課税枠」にさせず、国民の健全な中長期の資産形成を促すための「安全フィルター」の役割を果たしているのです。

iDeCoの取り扱い銘柄数と「35制限」の法律上のルール

iDeCo(個人型確定拠出年金)で選べる運用商品(投資信託や定期預金など)の数は、運営管理機関(証券会社や銀行など)ごとに異なりますが、法律上の上限として「35銘柄まで」と定められています。これは確定拠出年金法施行令の改正によるルールです。

この「35本ルール」が設けられた背景には、以下の理由があります。

  • 選択の迷いを減らす(投資の意思決定コストの削減):数百〜数千種類もの選択肢があると、初心者がどれを選べばよいか分からず、手続きが滞ってしまうのを防ぐため。
  • 運営管理の効率化:選択肢を絞ることで、金融機関側が質の高い商品を厳選し、継続的なモニタリングを行いやすくするため。

iDeCoでは選択肢が限られているものの、多くの大手ネット証券では、「全世界株式(オルカン)」「S&P500」「主要なバランス型ファンド」など、長期投資に必須とされる超人気インデックスファンドがしっかりとラインナップされています。そのため、本数が少ないからといって資産形成に困ることは基本的にありません。

→「全世界株式(オルカン)」「S&P500」については、下記の記事で詳しく説明しています。

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まとめ:失敗しない証券会社選びのポイント

新NISAやiDeCoで投資信託が限定されているのは、制度の目的が「短期的なギャンブル」ではなく、「長期・積立・分散による安定した資産形成」にあるからです。

→ 「新NISA」や「iDeCo」については、下記の記事で詳しく説明しています。

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最後に、これから口座を開設する読者に向けて、選び方の結論をまとめます。

証券会社選びのロードマップ

  • 王道のインデックス投資(オルカン・S&P500等)がメインの方:
    主要なネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)であれば、どこを選んでもこれらの一等星ファンドは網羅されているため、手数料やポイント還元率(クレカ積立など)を基準に選んで問題ありません。
  • 特定のテーマ型やアクティブファンド、高配当系の投資信託も買いたい方:
    成長投資枠での取扱本数に差が出るため、事前にその証券会社が目当ての銘柄を「成長投資枠の対象」として取り扱っているか、公式サイトの検索ツールで確認してから開設しましょう。

国の定めた安全な基準を賢く利用し、自分に合った証券会社で安心して将来のための資産形成をスタートさせましょう!

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