投資の含み益は利確する?しない?「含み益は意味がない」の嘘と本当

マネックス証券
含み益は 利確しないと意味がない?! その常識、長期投資では間違い売らずに育てる 「金の卵を産むニワトリ」

投資のブログやSNSを見ていると、よくこんな言葉を目にしませんか?
「含み益はただの数字」「利確(利益確定)しないと意味がない」

確かに、画面上でいくら増えていても、売らなければ手元の現金は増えません。しかし、本当に含み益を持ち続けることには「意味がない」のでしょうか?

結論から言うと、含み益が出ている株式において「利確しないと意味がない」は短期トレードの常識であり、長期投資家にとっては間違いです。

今回は、なぜそう言われるのかの背景と、不動産との違い、そして長期投資において含み益を残すことの圧倒的なメリットを、実際の銘柄(丸紅・みずほFG)を使った税金シミュレーションつきで解説します。

「含み益は利確しないと意味がない」と言われる理由

まず、なぜ多くの記事で「利確せよ」と言われるのか、その正体を紐解きます。

これは主に「短期・中期トレード」を前提とした考え方です。

  • 理由①: 株式は値動きが激しく、今日100万円あった含み益が、明日には世界情勢の変化でゼロ(幻)になるリスクがあるから。
  • 理由②: 短期投資の目的は「安く買って高く売り、売却益(キャピタルゲイン)を得る」ことだから。

売ることで初めて「勝ち」が確定する世界線では、確かに利確しないと意味がありません。しかし、投資のスタイルはこれだけではないはずです。

不動産と株式の「資産評価」の違い

ここで一度、視点を変えて「不動産」と比較してみましょう。

不動産の場合、周辺の再開発などで価値が上がると、売却していなくても「含み益を含めた時価」で資産価値が評価されます。銀行もそれを認め、次の融資の担保にしてくれたりします。

では、株式の含み益は資産ではないのでしょうか?

実は、株式も立派な「資産」です。 企業の会計ルールでも、保有する株は決算時に時価(含み益を含んだ額)で資産計上されます。
ただ、株式は不動産に比べて「いつでもスマホ一つで売れる(流動性が高い)」かつ「値動きが激しい(ボラティリティが高い)」ため、周囲から「まだ確定していない不安定なもの」と見られやすいだけなのです。

長期投資における「含み益」の真の価値

短期トレードの考え方はそうかもしれませんが、長期投資(特に高配当株やインデックスの長期保有)では、利確しないこと自体に猛烈なメリットがあります。

出資額(元本)が低いまま、資産価値が上がり、配当が増えていく状態は、投資における「最も望ましい勝ちパターン」です。

メリット①:購入価格に対する利回り(YOC)が跳ね上がる

例えば、1株1,000円(配当40円・利回り4%)で買った株が、値上がりして2,000円(利益も2倍で配当性向変わらずで配当80円に増配)になったとします。

YOC(Yield On Cost)とは、投資における「取得原価利回り(取得利回り)」のことです。現在の年間配当金を、自分が株を買ったときの投資元本(取得価額)で割って計算します。

配当性向とは、企業が1年間に得た純利益のうち、どれくらいの割合を株主への配当金として支払っているかを示す割合(%)のことです。株主への利益還元への姿勢や、経営の安定性を測る大切な指標となります。

いま新しく買う人の利回りは4%ですが、1,000円で仕込めている場合の利回りは「驚異の8%」になります。利確せずに持ち続けるだけで、最初に投じたお金が毎年ものすごい効率でお金を生み出し続けてくれるのです。

比較項目過去に仕込んだ株式(長期保有)今新しく買う株式(新規購入)
投資額(購入株価)1,000円(安く買えた!)2,000円(値上がり後)
現在の株価(時価)2,000円(含み益+1,000円)2,000円
現在の1株あたりの配当金80円(業績アップで増配!)80円
現在の配当利回り4.0%(80円 ÷ 2,000円)4.0%(80円 ÷ 2,000円)
投資額に対する利回り(YOC)8.0%(80円 ÷ 1,000円)4.0%(80円 ÷ 2,000円)

長期投資家の勝ちパターン:
「含み益が増えている」ということは、その企業が成長して株価も配当も上がっている証拠。つまり、利確して手放すのが一番もったいない『金の卵を産むニワトリ』に育っている状態。

メリット②:税金と手数料の「先送り」ができる

意味がないからと一度利確してしまうと、その時点で含み益に対して約20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金が引かれます。手元に残るお金が利益の約2割減った状態で同じ株を買い直しても、買える株数が減り、将来もらえる配当金も減ってしまいます。売らないこと自体が、資産を最大化する強力な戦略です。

メリット③:大暴落時の「心のクッション」になる

自分の買い値よりも遥か上に株価があれば、市場が大暴落しても「自分の元本を割ることはない」という精神的な余裕が生まれます。この心の安定こそが、長期保有を可能にする最大の武器です。

【徹底シミュレーション】丸紅・みずほFGで見る「3年・5年・10年」の差

ここからが本題です。日本を代表する高配当・優良株である「丸紅(8002)」と「みずほフィナンシャルグループ(8411)」を例に、短期トレード(こまめに利確・買い直し)長期トレード(売らずにガチホ)を続けた場合、税金・利益・資産にどれだけの差が生まれるのかを、直近3年・5年・10年の3パターンでシミュレーションします。

【シミュレーションの前提条件】

  • 各期間の開始時点で、それぞれ100万円分を一括購入したと仮定
  • 株価・配当金は実際の値動きをベースにした概算値(特定口座・課税口座を想定)
  • 税率は譲渡益・配当ともに20.315%(源泉徴収あり口座)で計算
  • 短期トレード派は、期間の途中で1〜2回「利確 → 課税後の資金で同じ銘柄を買い直す」を繰り返したと仮定
  • 長期トレード派は、期間中一度も売却せずに保有し続けたと仮定(含み益には課税なし)
  • NISA口座(非課税)で保有した場合は、この税金差はそもそも発生しません。あくまで課税口座での比較です
  • 実際の投資成果を保証するものではなく、あくまで教育目的の概算シミュレーションです

丸紅(8002)で比較した場合

丸紅は、バークシャー・ハサウェイ(ウォーレン・バフェット氏)による大手商社への出資や、資源価格の上昇、そして「累進配当」政策の導入により、この10年で株価も配当も劇的に成長した「最強の出世株」のひとつです。

丸紅(8002)株価推移イメージ(概算)
丸紅(8002)株価推移イメージ(概算)
時点株価(概算)1株配当(概算)配当利回り
10年前約500円約21円4.2%
5年前約950円約33円3.5%
3年前約2,200円約85円3.9%
現在約5,000円約115円2.3%

■ 100万円を投資した場合の「税金・利益・資産」シミュレーション

保有期間トレード方法現在の評価額支払済み税額売却時の想定税額最終手取り額
3年間長期(ガチホ)227.3万円0円25.9万円201.4万円
短期(こまめ利確)211.9万円10.2万円14.6万円197.2万円
5年間長期(ガチホ)526.3万円0円86.6万円439.7万円
短期(こまめ利確)465.6万円26.7万円53.0万円412.6万円
10年間長期(ガチホ)1,000.0万円0円182.8万円817.2万円
短期(こまめ利確)799.5万円64.2万円90.9万円708.5万円
丸紅(8002)保有期間別 手取り資産の差(単位:万円)
丸紅(8002)保有期間別 手取り資産の差(単位:万円)

丸紅シミュレーションのポイント:
保有期間が長くなるほど、「税金の先送り効果」が複利で効いてきます。10年間ガチホした場合、最終手取り額は短期トレード派より約108万円多くなる計算です。これは、途中の利確のたびに約2割の税金が引かれ、再投資できる元手(買える株数)がじわじわ減っていくためです。さらに、10年前の500円で仕込めているガチホ勢の元本利回り(YOC)は「115円 ÷ 500円 = 23.0%」に達し、投資額100万円に対して毎年23万円もの配当が入ってくる計算になります。

■ 長期保有(ガチホ)の「実質利回り」はどれくらいか

「含み益を持ち続ける」というのは、数字上だけの話ではありません。長期保有した場合、実際どれくらいの利回りを得られていることになるのかを見てみましょう。ここでの実質利回りとは、現在の配当金を、当時いくらで取得したか(取得株価)で割った利回り(YOC:Yield on Cost)のことです。

保有期間取得株価現在の配当金実質利回り(YOC)
3年前に取得2,200円115円5.2%
5年前に取得950円115円12.1%
10年前に取得500円115円23.0%

※この実質利回り(YOC)はあくまで「配当金だけ」を取得価格に対して見たものです。ここに株価の値上がり分(キャピタルゲイン)を加えた本来の意味での「トータルリターン」は、これとは別の指標であり、より高い数値になります。

みずほフィナンシャルグループ(8411)で比較した場合

日本のメガバンクであるみずほFGは、日銀のマイナス金利政策解除など「金利のある世界」への転換を追い風に、ここ数年で株価が急上昇し、増配を続けています。

みずほFG(8411)株価推移イメージ(概算)
みずほFG(8411)株価推移イメージ(概算)
時点株価(概算)1株配当(概算)配当利回り
10年前約1,600円約70円4.4%
5年前約1,750円約85円4.9%
3年前約2,700円約115円4.3%
現在約8,000円約150円1.9%

■ 100万円を投資した場合の「税金・利益・資産」シミュレーション

保有期間トレード方法現在の評価額支払済み税額売却時の想定税額最終手取り額
3年間長期(ガチホ)296.3万円0円39.9万円256.4万円
短期(こまめ利確)270.0万円15.8万円21.9万円248.0万円
5年間長期(ガチホ)457.1万円0円72.6万円384.6万円
短期(こまめ利確)424.5万円11.0万円57.1万円367.3万円
10年間長期(ガチホ)500.0万円0円81.3万円418.7万円
短期(こまめ利確)456.2万円13.8万円61.4万円394.8万円
みずほFG(8411)保有期間別 手取り資産の差(単位:万円)
みずほFG(8411)保有期間別 手取り資産の差(単位:万円)

みずほFGシミュレーションのポイント:
みずほFGも同様に、長期保有の方が短期売買より最終手取り額が上回る結果になりました。特に注目したいのは含み益の「クッション」効果です。10年間保有し続けた場合、1株あたり6,400円もの含み益(株価8,000円-取得単価1,600円)を抱えることになり、多少の下落局面が来ても取得価格を大きく上回った水準を維持できます。一方、こまめに利確している短期派は、そのつど「その時の時価」で買い直すため、含み益というクッションが薄く、株価が取得単価に近づきやすい状態が続きます。

■ 長期保有(ガチホ)の「実質利回り」はどれくらいか

保有期間取得株価現在の配当金実質利回り(YOC)
3年前に取得2,700円150円5.6%
5年前に取得1,750円150円8.6%
10年前に取得1,600円150円9.4%

※この実質利回り(YOC)はあくまで「配当金だけ」を取得価格に対して見たものです。ここに株価の値上がり分(キャピタルゲイン)を加えた本来の意味での「トータルリターン」は、これとは別の指標であり、より高い数値になります。

2銘柄まとめ:長期保有が生み出す「手取り資産の差」

銘柄3年間5年間10年間
丸紅(8002)+4.2万円+27.1万円+108.7万円
みずほFG(8411)+8.4万円+17.3万円+23.9万円

※「長期(ガチホ)」の最終手取り額 - 「短期(こまめ利確)」の最終手取り額。プラスの値は長期保有が上回った金額を示す。

2銘柄に共通しているのは、保有期間が長くなるほど、長期保有の優位性が拡大していくという点です。これは、短期トレードで発生する「税金の先送りロス」が、時間の経過とともに複利的に積み上がっていくためです。逆に言えば、保有期間がまだ短い(3年程度)うちは差が小さく見えても、そのまま持ち続けることで差はどんどん開いていくということでもあります。

もし今、急に暴落したら? 短期派と長期派で「損失」の差はあるか

ここまでは右肩上がりの前提で見てきましたが、当然ながら株価は下がることもあります。「もし今、丸紅やみずほFGが急落して、短期トレード派も長期トレード派も同じタイミング・同じ株価で売却したら、損失は変わらないのでは?」と思う方もいるかもしれません。詳細なシミュレーションは省きますが、ここでは考え方だけ軽く整理しておきます。

実は、支払う税金の「合計額」だけを見れば、長期派と短期派で本質的な差はありません。利確を挟んでも挟まなくても、取得単価から売却単価までの値上がり益に対する税率(20.315%)は変わらないからです。では、何が本当の差を生んでいるのでしょうか。

ポイントは2つあります。

  • ①買い直せる株数がじわじわ減る:短期派は利確のたびに、税引き後の「手取り」でしか株を買い直せません。税金分だけ再投資に回せるお金が減るため、保有株数がその都度目減りしていきます。同じ株価で売っても、そもそも保有している株数が長期派より少ないため、最終的な資産額は小さくなります(第4章の「税金の先送りロス」の正体はこれです)。
  • ②税金を「払い戻す」ことはできない:短期派が高値圏で一度利確していた場合、その時点の値上がり益に対する税金はすでに支払い済みです。その後株価が急落しても、払った税金が戻ってくるわけではありません。一方、長期派は売るまで課税されないため、急落後に売却した場合の税額は「下落後の(小さくなった)値上がり益」に対してしか発生せず、結果的に税負担も自動的に軽くなります。

試しに、丸紅を10年前(500円)に仕込んだ長期派と、3年前(2,200円)で一度利確・買い直しをした短期派が、両者とも同じ1,200円まで急落したタイミングで売却したとして概算すると、長期派の手取りは約211.6万円、短期派の手取りは約202.3万円となり、暴落局面でも長期派が上回る計算になりました(あくまで概算の一例です)。差が生まれる理由は、短期派の保有株数がもともと少ないことに加え、短期派は2,200円の時点ですでに約69万円の税金を払い切ってしまっており、その後株価が1,200円まで下がっても税金は返ってこない一方、長期派はこの時点でまだ含み益の範囲内なので税額はぐっと小さく済む、という点にあります。

■ 短期派の「最後の損失」は税金の還付につながる可能性も

ここで一つ見落とせないポイントがあります。上の例で短期派が1,200円で売却したとき、実は2,200円で買い直した分については約169万円の「損失」が発生しています(買い直した時の株価2,200円 → 売却時1,200円)。この損失は、損益通算(同じ年に他の株式売却益や配当金がある場合、その利益と相殺できる制度)や、繰越控除(確定申告をすれば、使いきれなかった損失を最大3年間繰り越して将来の利益と相殺できる制度)を使うことで、税金の還付・軽減につなげられる可能性があります。

もし短期派がこの損失をフルに他の利益と相殺できたと仮定すると、還付され得る税額は概算で約34.3万円。これを反映すると、短期派の実質的な手取りは約236.6万円まで改善し、長期派の約211.6万円を上回る結果になります。

ケース手取り額(概算)
長期派(ガチホ、1,200円で売却)約211.6万円
短期派(損益通算・繰越控除を使わない場合)約202.3万円
短期派(損失をフルに損益通算・繰越控除できた場合)約236.6万円

※あくまで、損失全額を他の利益と相殺できた場合の理論上の概算値です。実際に還付・軽減されるかどうかは、同じ年(または繰り越し可能な3年以内)に相殺できるだけの他の売却益・配当収入があるかどうかに左右されます。相殺できる利益がなければ、この恩恵は受けられません。また繰越控除の適用には、利益が出ていない年も含めて毎年continuous に確定申告を行う必要があります。

つまり、短期トレードで最終的に「損」が出た場合は、その損失自体が税制上のセーフティネットとして働き、他の利益にかかる税金を軽減してくれる可能性がある、というのも事実です。ただしこれはあくまで「他に相殺できる利益があれば」という条件付きの話であり、必ず得られるとは限りません。一方の長期派は、そもそも売却するまで課税されないため、こうした損益通算の手間や条件を気にする必要がない、というシンプルさも一つのメリットと言えるでしょう。

つまり、暴落時のダメージの差も、突き詰めれば「途中で税金を払うことで再投資に回せるお金と株数が減ってしまう」という、これまで見てきた長期保有のメリットと同じ構造から生まれているということです。含み益を持ち続けることは、上昇局面だけでなく、下落局面においても税金面でのしなやかさ(含み益のうちは課税されない)というかたちで効いてきます。

本記事の前提について(含み損局面での長期保有を推奨するものではありません)

最後に、本記事の前提を改めて明確にしておきます。今回解説してきた「利確しないことのメリット」は、あくまで株価が値上がりし、含み益が出ている局面での長期保有を念頭に置いたものです。丸紅・みずほFGのシミュレーションも、実際に株価・配当が右肩上がりに成長してきた実績をベースにしています。

逆に言えば、購入時よりも株価が下落し、含み損を抱えている銘柄をただ持ち続けることを推奨する趣旨ではありません。「売らなければ損は確定しない」という理屈だけで含み損銘柄を塩漬けにしてしまうと、次のようなリスクがあります。

  • 企業の業績や事業環境そのものが悪化していた場合、株価が取得単価まで戻らないまま資金が長期間拘束されてしまう可能性がある
  • 本来もっと有望な投資先に振り向けられたはずの資金(機会損失)が、回復の見込みが薄い銘柄に固定されてしまう
  • 「いつか戻るはず」という期待だけで保有を続けることは、本記事で紹介したような税金や配当利回りの優位性とは別問題であり、根拠のない塩漬けとは切り分けて考える必要がある

含み損を抱えた銘柄については、なぜ下落したのか(一時的な市況要因か、企業の成長ストーリーそのものが崩れたのか)を見極めたうえで、保有を続けるか、損切りして他の投資先に資金を振り向けるかを判断することが重要です。今回のシミュレーションはあくまで「成長を続けている優良銘柄を、含み益が出ている状態で持ち続けた場合」の話である、という前提をご理解のうえ、ご自身の保有銘柄の状況に照らして参考にしていただければと思います。

まとめ:自分の「目的」に合わせて含み益と付き合おう

ここまで、「含み益は利確しないと意味がない」という言葉の背景から、実際の銘柄を使った税金・利益のシミュレーション、そして暴落時の考え方まで見てきました。最後に、記事全体のポイントを整理します。

この記事で分かったこと

  • 「利確しないと意味がない」は短期トレード限定の考え方:安く買って高く売るキャピタルゲイン狙いの世界では正しいが、配当や資産拡大を目的とする長期投資には当てはまらない。
  • 株式も不動産と同じく、含み益を含めた時価で評価される「資産」:売っていないから価値がない、というのは思い込みにすぎない。
  • 長期保有はYOC(元本利回り)を押し上げる:丸紅・みずほFGとも、10年前に仕込んだ人の実質利回りは、今から新規に買う人の2〜4倍以上の水準になっていた。
  • 税金の「先送り効果」は複利で効いてくる:丸紅・みずほFGのシミュレーションでは、保有期間が長くなるほど長期保有と短期トレードの最終手取り額の差が拡大し、10年間では丸紅で約109万円、みずほFGで約24万円もの差が生まれた(元本100万円あたり)。
  • 暴落局面でも、含み益は「クッション」として働く:取得単価が低いぶん、下落しても税負担が軽くなりやすく、必ずしも短期トレードより不利になるとは限らない。ただし短期派の損失は損益通算・繰越控除でカバーできる可能性もあり、一概にどちらが有利とは言い切れない、という一面もある。

結局、どちらを選べばいいのか

  • 売却益(キャピタルゲイン)を狙うなら: 適切なタイミングで利確しないと意味がない。相場の波を読み、機動的に売買する短期・中期トレードが向いている。
  • 保有による果実(インカムゲイン・資産拡大)を狙うなら: 含み益を抱えたままガチホすることに大いなる意味がある。企業の成長とともに配当・株価が伸びていくのを、税金を先送りしながらじっくり享受できる。

もちろん、これは「どちらか一方が絶対に正しい」という話ではありません。相場環境の急変に備えて一部は利益確定しておく、生活防衛資金とは別に長期保有枠を設けておく、といったハイブリッドな考え方も十分に有効です。また、今回のシミュレーションは課税口座(特定口座)を前提としたものなので、NISA口座で保有していれば、そもそも売却益・配当ともに非課税となり、短期・長期による税金差そのものが発生しません。NISAの非課税枠を優先的に活用しつつ、その上で「いつ売るか・売らないか」を考える、という順序も意識しておきたいところです。

「利確しないと意味がない」という一面的な言葉に惑わされる必要はありません。あなたが投資で「何を得たいのか」によって、含み益の価値は180度変わるのです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
この記事が、あなたのこれからのキャリアや資産形成を考えるきっかけになれば幸いです!

※本記事の株価・配当金額・シミュレーション結果は、実際の値動きをもとにした概算値であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行い、最新の株価・配当情報は各証券会社等でご確認ください。また、本シミュレーションはNISA口座を利用しない課税口座(特定口座)を前提としています。NISA口座であれば譲渡益・配当ともに非課税となるため、本文中の税金差は発生しません。

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